島本和彦のマンガ「アオイホノオ」を読む。
島本氏の大学時代をモチーフとした自伝的作品で、同窓であった庵野監督など数々の後の大物達が実名で登場する。
時は1980年代の初め。
主人公は大阪府にある大作家芸術大学の映像計画学科の一回生・焔燃(ほのおもゆる)。
映画やアニメの講義を受けながら近い将来漫画家になってやるぞと密かにもくろんでいる18歳。
「時代は甘くなってきている、少年サンデーを読んでもただなんとなく面白いだけ。俺の絵は下手だがコイツらはもっと下手」などと勝手に言っいてる焔燃だが、自身は一度も雑誌に投稿しておらず、具体的に漫画家になるための行動は何もしていない。
そのくせ、いっちょまえにマンガ評論だけはしておる訳で、
「あの監督は演出は上手いけど、人物造形がイマイチなんだよな」とかえらそーにぬかしとった俺の大学時代とも重なるのだ。
特に笑ったのが、売れる前から注目していたあだち充が巻頭カラーを獲得した時の燃の一言。
「俺だけのあだち充じゃなくなった~」。
俺自身、怪談新耳袋で堀北真希ちゃんを初めて見たときに見事にハマり、男女問わず「このコめっちゃカワイイって」と吹聴しまくって皆を引かせていたのに、その後連ドラ等で彼女がブレイクしてメジャーになった時にはこう思ったものだ。
「俺だけの堀北真希じゃなくなった~」。
それに、夜明け前というか、~未満というか、「何者でもない」という感じがグッっと来る。
俺自身、映像作りを生業にしてはいるが、目標とする映画監督にはまだ程遠く、何とも言えず身につまされるのだ。
かといって、読んでネガティブシンキングになる訳じゃなく、不思議と元気が出て前向きな気持ちになれるのは、主人公・燃のどーしよーもない馬鹿さ加減によるものだろうか。
それから、エイティーズ特有のローファイで適当な乗りが何とも言えず心地よい。
とくに、主人公・燃の片思い相手の先輩・トンコさんの存在感がゆるくていい。
燃の部活の先輩の彼女なのだが、いつも燃の事を気にかけ、心配しており、
的外れなアドバイスを送る。
彼女でもないのに、燃のアパートに入り浸り、挙句の果てに燃がいない間に部屋の掃除までしている始末。
これでは燃に勘違いするなと言う方が酷な話だ。
でも居るんだよなぁ、こういう女。
トンコさんとはちょっと違うが、俺の大学のゼミにもゆる~い女がおった。
彼女は俺の好みではなかったが、ちはる(ミモーやってたヤツな。ナウなヤングは判らんかもしれんが。)似のカワイコちゃんでAさんといった。
まあ、そのゆるさが判ったのは卒業間際、ゼミの男衆と飲んだときだったのであるが、
俺以外の男衆が全員兄弟であることを皆にカミングアウトされたのだ。
俺自身当時同じゼミの女と付き合っておったので、兄弟になっていたらそれはそれでまずかったのではあるが、何ともいえない疎外感で淋しささえその時は感じた。
思い起こせば、当時の彼女と付き合う前に、俺は飲み会でAさんを口説いていた経緯があり、
それを付き合いだしてからAさんが彼女に告げ、修羅場をみた事も有った。
付き合い始めの頃も、彼女曰く「あの人は遊び人だからやめといた方が良いよ」とAさんに口を酸っぱくして云われたと聞いた。
さんざん人の恋路を邪魔しておいて、俺だけSEXさせないとはっ(笑)
まあAさん自体は天然な人で悪気は無いのは重々判っておるのだが。
前に口説いた話で、彼女が目茶苦茶に怒ったのは、そういうAさんのゆるさを知っていたからかもしれん。
Aさんと一緒に風呂に入った彼女曰く、Aさんはかなりの巨乳さんらしく、その時は、
「Aさんと寝たの?寝たの?」と100回程聞かれ、
「やっぱり巨乳がいいんだっ」と150回ほど云われた。
その日の夜、ベッドインした際に「私とAさんのおっぱい、どっちが大きかった?」と誘導尋問され、とっさに「ええっと・・・」と言った瞬間にグーパンチが飛んできたことは言うまでもない。
多かれ少なかれ、貴方にもそういう甘酸っぱい思い出の数々があると思う。
「アオイホノオ」はそんな記憶を呼び覚まし、その上で前向きな気持ちにさせてくれる本なので、
よろしければご一読あれ。
★アオイホノオ
島本氏の大学時代をモチーフとした自伝的作品で、同窓であった庵野監督など数々の後の大物達が実名で登場する。
時は1980年代の初め。
主人公は大阪府にある大作家芸術大学の映像計画学科の一回生・焔燃(ほのおもゆる)。
映画やアニメの講義を受けながら近い将来漫画家になってやるぞと密かにもくろんでいる18歳。
「時代は甘くなってきている、少年サンデーを読んでもただなんとなく面白いだけ。俺の絵は下手だがコイツらはもっと下手」などと勝手に言っいてる焔燃だが、自身は一度も雑誌に投稿しておらず、具体的に漫画家になるための行動は何もしていない。
そのくせ、いっちょまえにマンガ評論だけはしておる訳で、
「あの監督は演出は上手いけど、人物造形がイマイチなんだよな」とかえらそーにぬかしとった俺の大学時代とも重なるのだ。
特に笑ったのが、売れる前から注目していたあだち充が巻頭カラーを獲得した時の燃の一言。
「俺だけのあだち充じゃなくなった~」。
俺自身、怪談新耳袋で堀北真希ちゃんを初めて見たときに見事にハマり、男女問わず「このコめっちゃカワイイって」と吹聴しまくって皆を引かせていたのに、その後連ドラ等で彼女がブレイクしてメジャーになった時にはこう思ったものだ。
「俺だけの堀北真希じゃなくなった~」。
それに、夜明け前というか、~未満というか、「何者でもない」という感じがグッっと来る。
俺自身、映像作りを生業にしてはいるが、目標とする映画監督にはまだ程遠く、何とも言えず身につまされるのだ。
かといって、読んでネガティブシンキングになる訳じゃなく、不思議と元気が出て前向きな気持ちになれるのは、主人公・燃のどーしよーもない馬鹿さ加減によるものだろうか。
それから、エイティーズ特有のローファイで適当な乗りが何とも言えず心地よい。
とくに、主人公・燃の片思い相手の先輩・トンコさんの存在感がゆるくていい。
燃の部活の先輩の彼女なのだが、いつも燃の事を気にかけ、心配しており、
的外れなアドバイスを送る。
彼女でもないのに、燃のアパートに入り浸り、挙句の果てに燃がいない間に部屋の掃除までしている始末。
これでは燃に勘違いするなと言う方が酷な話だ。
でも居るんだよなぁ、こういう女。
トンコさんとはちょっと違うが、俺の大学のゼミにもゆる~い女がおった。
彼女は俺の好みではなかったが、ちはる(ミモーやってたヤツな。ナウなヤングは判らんかもしれんが。)似のカワイコちゃんでAさんといった。
まあ、そのゆるさが判ったのは卒業間際、ゼミの男衆と飲んだときだったのであるが、
俺以外の男衆が全員兄弟であることを皆にカミングアウトされたのだ。
俺自身当時同じゼミの女と付き合っておったので、兄弟になっていたらそれはそれでまずかったのではあるが、何ともいえない疎外感で淋しささえその時は感じた。
思い起こせば、当時の彼女と付き合う前に、俺は飲み会でAさんを口説いていた経緯があり、
それを付き合いだしてからAさんが彼女に告げ、修羅場をみた事も有った。
付き合い始めの頃も、彼女曰く「あの人は遊び人だからやめといた方が良いよ」とAさんに口を酸っぱくして云われたと聞いた。
さんざん人の恋路を邪魔しておいて、俺だけSEXさせないとはっ(笑)
まあAさん自体は天然な人で悪気は無いのは重々判っておるのだが。
前に口説いた話で、彼女が目茶苦茶に怒ったのは、そういうAさんのゆるさを知っていたからかもしれん。
Aさんと一緒に風呂に入った彼女曰く、Aさんはかなりの巨乳さんらしく、その時は、
「Aさんと寝たの?寝たの?」と100回程聞かれ、
「やっぱり巨乳がいいんだっ」と150回ほど云われた。
その日の夜、ベッドインした際に「私とAさんのおっぱい、どっちが大きかった?」と誘導尋問され、とっさに「ええっと・・・」と言った瞬間にグーパンチが飛んできたことは言うまでもない。
多かれ少なかれ、貴方にもそういう甘酸っぱい思い出の数々があると思う。
「アオイホノオ」はそんな記憶を呼び覚まし、その上で前向きな気持ちにさせてくれる本なので、
よろしければご一読あれ。
★アオイホノオ
# by RAPHAEL_TATAMI | 2008-04-21 23:39 | about love